学長ご挨拶Message from the President
世界を舞台に活躍する真のグローバル人材を育成し、
新たなイノベーションと社会変革創出に貢献する
このたび、文部科学省の令和5年度大学の世界展開力強化事業に採択され、「多層型日米連携協働教育プログラムによる次世代グローバル人材育成」を開始しました。
本事業の交流先である米国は日本にとって外交上極めて重要な同盟国であり、さまざまな分野での連携が進む国の一つです。本学における米国大学との交流は、大学間国際交流協定締結校9機関、部局間国際交流協定締結校4機関にのぼります(2023年春現在)。米国との関係を次世代でさらに発展させるためには、両国の次代を担う若者の直接的な交流は欠くことができません。
また、本学が所在する金沢市は、ニューヨーク州バッファロー市と1962年から姉妹都市として半世紀以上にわたって市民の交流が続いています。同市のUniversity at Buffalo, The State University of New Yorkと本学も1974年から協定校として交流を続けています。
本事業では、こうした背景や実績を最大限に活用してプログラムに取り組み、真のグローバル人材として日米の未来をけん引する、高い志を持つ学生を育成・輩出します。 そして、我が大学の目指す人材育成を実現することにより、日本、そして世界における新たなイノベーションと社会変化を生み出し、科学・技術の力による社会課題の解決を実現するとともに、地域を巻き込んだ社会全体の米国交流活性化に貢献します。
本学に関係される皆さま、ご支援くださる皆さまにおかれましては、金沢大学の取り組みに今後ともご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
金沢大学長 和田 隆志
事業の特長Features of the Project
すべての課程における多層的な交流プログラム
「多層型日米連携協働教育プログラムによる次世代グローバル人材育成」は、米国大学との関係を全学で強化しながら次世代教育システムの構築を目指す取り組みです。
教育プログラムとして、高大接続による高校生から共通教育、学士専門課程、さらには大学院課程の各課程において、3つの特徴を取り入れた多層的な交流プログラムを提供し、米国との交流を活性化させながら、日米の未来を牽引するグローバル人材を育成・輩出します。
教育課程と連携大学
高校生 | 共通教育 |
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COIL Education |
学士専門教育 |
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人間社会・自然科学系学生育成 |
博士前期・修士課程 | 博士後期・博士課程 |
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研究者養成 |
高大院と幅広い課程の生徒・学生を対象とした多層型プログラムを実施し、
米国との次世代交流を支える“志”の高い人材を育成・輩出します
養成するグローバル人材像Global Human Resources We Cultivate
「養成する人材像」
どのような立場や状況にあっても相手の意見を尊重しつつ自身の意見を明確に示した上で、
多様な背景を有する人たちと協働して新しい価値を生み出し未来を創造していくことのできる人材
「養成する人材像」が備える能力とは
コミュニケーション能力
英語という外国語運用能力だけでなく、相手に応じた言葉の選び方や論理性を伴う説明等、日本語、英語問わず言葉で適切に自分の意見を伝えられる能力包摂性
多様な価値観や考え方を受け入れながら、他者と協働していくことができる能力先見性
社会の変化が極めて速い時代にあって、物事の本質を見極め、課題を発見し、現代社会の課題解決に積極的にコミットする能力課題解決能力
多様なステークホルダーをまとめ上げリーダーシップを発揮しながら課題解決のための行動力、実践力を駆使し、実行できる能力
これらの能力を、プログラムを通じてレベルアップさせ、
日米の未来を牽引するグローバル人材養成につなげます
ルーブリックの活用
「養成する人材像」が備える4つの能力は、プログラムを問わず日米学生が共通のゴールを認識できるようルーブリックを作成して明確化しています。
本事業で用いる評価の観点(能力)とその基準
観点(能力) | レベル0 | レベル1 | レベル2 | レベル3 |
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コミュニケーション能力 | コミュニケーションをとることへの意欲がなく、自分の考えや必要な情報を伝えられない | コミュニケーションをとろうとする意欲があり、自分の考えや必要な情報を簡単になら伝えられる | コミュニケーションをとりながら、自分の考えや必要な情報をある程度論理的に伝えることができる | 積極的にコミュニケーションをとりながら、相手や場面に合わせて情報や表現方法を適切に使い分け、自分の考えや必要な情報を論理的に構成して明確に表現し、的確に伝えることができる |
包摂性 | 自身及び他者の持つ背景や価値観への関心が薄く、異なる個性を持つ他者と共生・共存することの必要性を感じていない | 自身及び他者の持つ背景や価値観に関心・理解があり、多様性社会の必要性を認識できる | 自身の背景や価値観を相手に伝えることができるとともに、相手の持つ背景や価値観の違いをも受容できる | 世界の多様性を理解し受容できるとともに、価値観の異なる他者と協働して目標達成のために行動できる |
先見性 | 社会の変化への関心が薄く、現代社会の課題を発見し解決する必要性を感じていない | 社会の変化へのある程度の関心は持っているが、現代社会の課題を発見し解決することへの関心がやや薄い | 変化する社会について基本的な理解を持つとともに、現代社会の課題を発見し解決することに意欲を持っている | 変化する社会への理解を持っており、新しい情報や技術を習得したり、それらを駆使して現代社会の課題解決に積極的にコミットできる |
課題解決能力 | 課題を正しく認識できず、自分のできることだけを実行する | 課題を見出そうとする思考ができ、多様なステークホルダーを認識した上で自分のできることを着実に実行できる | 課題を見出し解決しようとする思考ができ、自分のできることに加え、多様なステークホルダーをある程度巻き込んで行動できる | 課題解決に向けて自らイメージを持ち、多様なステークホルダーの立場や意見を尊重し、リーダーシップを発揮しながら目標達成のために行動できる |